風味づけだけじゃない!冷え対策にも活躍する薬味のパワー
風味付けだけじゃない!冷え対策にも活躍する薬味のパワー
寒い季節、手足の冷えや体調不良に悩んでいませんか?
そんな時、料理にさりげなく添えられ、香りや美味しさを引き立ててくれる薬味が活躍してくれます。
今回は、冷えが気になる季節に活用したい、体を温めてくれる薬味の成分とその働きについてご紹介いたします。
■ 冷え対策に!カラダを温める薬味の力
薬味のもつ成分とその働きについて、代表的な食材を例に見てみましょう。
●生姜
生姜は加熱すると辛み成分が変化するため、生のままと加熱した場合とで体への作用が異なります。
それぞれの特徴を知り、使い分けることで、より効果的に生姜を活用することができます。
【生の生姜(辛み成分:ジンゲロール)】
ジンゲロールには、解熱や殺菌、鎮痛、鎮吐、胆汁分泌促進といった作用があることがわかっています。
末梢血管を拡張して血流をよくする働きがあり、身体の深部の熱を体表や手足に運ぶ働きで手足が温まります。
しかし、持続時間は短く、一時的な体温上昇で終わってしまいます。
体内の熱を取り除いて身体の表面を温めたい時や、風邪の初期、胃腸機能が悪い時におすすめです。
ただし、冷え症の方には逆効果となるためご注意ください。
【加熱した生姜(辛み成分:ショウガオール)】
冷え症の方は、生姜を加熱して食べるのがオススメ。
加熱するとジンゲロールがショウガオールという成分に変わります。
ショウガオールには胃腸を刺激して筋肉を動かす運動作用があり、血流が活発になります。
体の内側からじっくり温めてくれますので、冷え症の方や肩こりなどに効果的です。
体脂肪を燃えやすい状態にする作用も報告されています。
●長ねぎ
香り成分であるアリシンが、血行をよくすることで身体を温めます。
ただし、水に溶けやすく熱に弱い性質のため、生の状態で薬味として食べるのが効果的。
鍋物や味噌汁の具にする際は、直前に加えるのがポイントです。
アリシンは白い部分に多く含まれていますが、青い部分にはビタミンが豊富なので、丸ごと活用するのがおすすめです。
●にんにく
にんにくも長ねぎと同じくアリシンを豊富に含み、血行促進効果が期待できます。
アリシンは空気に触れると発生するため、刻んだりすり潰したりして食べましょう。
熱には弱いですが、油と一緒に調理することで分解しにくくなるので、油を使った薬味ダレなどにした食べ方も効果的です。
他にも、夏から秋にかけて旬を迎えるシソやミョウガにも、体を温めてくれる働きがあると言われています。
これらの薬味を、ぜひ料理にうまく取り入れてみてください。
ただし、香りや辛みの強い成分を多く含む薬味は、食べ過ぎると胃腸に負担をかけることがあるため注意が必要です。
特に胃が弱い方は、空腹時は避けるなど工夫してお楽しみください。
■ 唐辛子の”温まる”は勘違い⁉
とうがらしの辛味成分であるカプサイシンには、エネルギー代謝を活性化させる作用や発汗を促す働きがあり、体が温まったように感じます。
しかし、これは体温が実際に上がっているのではなく、カプサイシンが口や皮膚の感覚神経に直接作用して、脳が暑いと勘違いしているのです。
そのため皮膚の血管が拡張して顔が赤らんだり、汗をかいたりして熱を放散して体温を下げようとします。
冷えの症状が強い方は、とうがらしなどを食べるのは控えた方がいいでしょう。
■ いつものメニューにプラスして楽しもう!
薬味は麺類や刺身などの定番料理に限らず、さまざまな料理に活用できます。
簡単に取り入れられる方法をご紹介します。
生姜
冷えが気になる時は、炒め物、スープや煮込み料理、温かい紅茶にすりおろして入れるなど、ショウガオールを活かす使い方がオススメ。
おすすめのメニューとしては、生姜を加えた炊き込みご飯。
刻んだ生姜と油揚げを加え、軽く味付けして炊き上げると体が温まる一品になります。
ねぎ
刻んで味噌と和えるだけで作れる「ねぎ味噌」、醤油・酢・砂糖・ごま油と混ぜて作る「ねぎだれ」などがオススメ。
にんにくや生姜を少量混ぜても美味しいです。
にんにく
ポン酢に少量のすりおろしにんにくを加え、これからの季節にぴったりな水炊きのタレにアレンジを加えてみましょう。
味噌ベースのお鍋に加えても、いつもと違う風味を楽しめます。
■ 薬味で健康アップ!日々の食事をもっと元気に
– 薬味で減塩 –
塩や醤油を控えめにして、その代わりに薬味を加えてみましょう。
塩分が少なくても辛みや香りで味にメリハリがつき、味わい深く仕上がります。
– 薬味が消化を助ける –
焼き魚に欠かせない薬味といえば大根おろし。
大根には、消化を助ける酵素が豊富に含まれ、消化の負担を助けてくれます。
– すだち、かぼす、ゆず –
香りと酸味が特徴のかんきつ類の中でも、薬味や風味付けに使われるものは香酸かんきつ類と呼ばれます。
ビタミンCやクエン酸が豊富で、風邪予防や疲労回復、美肌効果に役立ちます。
「すだち」はさっぱりとした酸味で焼き魚や刺身に添えられ、酸味のまろやかな「かぼす」は鍋物やお吸い物に適しています。
「ゆず」はその香りと彩りで料理に華を添えるほか、ゆず茶やゆずジャム、ポン酢醤油など幅広く活用されています。
***
食卓に風味や彩りを添える薬味ですが、調べてみると、添えられる意味があることに気付かされます。
薬味を上手に活用して、身体の中からポカポカと温かい毎日を目指しましょう。
【参考文献】
一般社団法人 日本温活協会 監修『温活検定公式テキスト 冷え知らず先生が教える温活百科』(ワン・パブリッシング)
『正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学』(高橋書店)
加藤初美『「いつまでもキレイ」と言われる人がやっている 美人をつくる食事 食べて、痩せる! 健康になる!』(徳間書店)
安保徹『今すぐできる! 免疫力を上げる31のルール』(学研プラス)
『からだにおいしい 野菜の便利帳』(高橋書店)
–材料(2人分)-
れんこん:50g
サバ水煮缶:1缶
長ねぎ:10g
生姜:1片
砂糖:大さじ1
味噌:大さじ1
酒:大さじ1
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小ねぎ:適宜
–作り方–
1、れんこんは5mm角に切ります。長ねぎ、生姜はみじん切りにします。
2、小ねぎ以外の全ての材料をボウルに入れて、よく混ぜます。
3、フライパンで焦げないようにから煎りをします。
4、器に盛り、斜め切りにした小ねぎを散らします。
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